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消火設備の変遷~種類と技術の進化、メンテナンスの重要性~

コラム 2024年05月13日

木造建造物が多い日本では、火災の被害を抑えることが大きな課題です。
そこで消防に関する設備は、現在も日々進化し続けています。

今回は消防設備の分類や主な日常的に目にする機会が多い消火器をはじめとする消火設備の種類、消火設備更新の必要性などについてわかりやすく解説します。

消火設備の変遷~種類と技術の進化、メンテナンスの重要性~

消防設備の分類

消防設備は大きく分けると3つに分類できます。

・警報設備:火災発生を可能な限り早く知らせるための設備で、自動火災報知設備や住宅用火災警報器も含まれます。
・消火設備:火災を消化するための設備で、各種の消火器や消火器の格納箱、屋内外の消火栓、スプリンクラー設備などが含まれます。
・避難設備:避難のための誘導灯や避難口ハッチ、救助袋、緩降機などがあります。

主な消火設備

消火設備を含む消防用の設備の目的は消防法第一条において「国民の生命、財産を火災から保護する」ことです。

多数の消火設備が存在しますが、ここでは屋内外の消火栓、スプリンクラー、水噴霧消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、消火器について紹介します。

消火器

消火器は初期消火の段階で人が操作して火を消す装置のことです。

構造上の分類

消火器は構造上2つに分類されます。

・加圧式消火器
・蓄圧式消火器

加圧式消火器はレバーを握ると内部にある加圧用ガスボンベに穴が開いて消火剤を放射する仕組みです。
圧力が一気にかかるため反動が大きいことや、レバーが硬いため握力が弱い人や高齢者、女性は扱いにくいというデメリットがあります。

蓄圧式消火器はガスと消火剤が一緒に充填されているタイプです。

加圧式の4分の1程度の力でもレバーが作動するため、誰でも使いやすいというメリットがあります。
使用前に圧力を調べられるため、消火器が使えるかどうかがすぐにわかります。

消火薬剤による分類

消火器につめられている薬剤の違いによって区分することもできます。

・粉末消火器
・強化液消火器
・泡消火器
・二酸化炭素消火器

粉末消火器には消火に適するよう防湿加工を施した細かな粉末がつめられています。

強化液消火器にはアルカリ金属類の水溶液が入っています。
泡消火器には炭化水素系合成界面活性剤などがつめられていて、発泡ノズルで空気とまぜあわせて泡状にして噴射します。

二酸化炭素消火器は消火器の容器に液化炭酸ガスをつめたものです。

酸素の供給を止めて鎮火させる窒息消火を行うため、周辺を汚すことなく消火できるというメリットがあります。

消火栓

消火栓とは、火災発生時に消火活動に必要な水を供給する設備のことです。
基本的に人が消火活動を行うために使う設備で、屋外・屋内に配置されています。

屋内消火栓の種類は以下の3つです。

・1号消火栓
・易操作性1号消火栓
・2号消火栓

1号消火栓は大量の水を一気に放出するため2人以上で操作しますが、易操作性1号消火栓や2号消火栓は水量が少ないため一人でも操作できます。

スプリンクラー

スプリンクラーは、天井や屋根部分に設置される設備で、火災を感知したら自動的に放水を行います。

平常時は水の出口がふさがっていますが、一定以上の温度になると熱を感じ取る部分が作動して出口を開放し、放水できるようにします。

消火設備の更新が必要な理由

消火設備は一度設置したらそれで終わりというわけではありません。
老朽化した設備は取り換える必要があります。

人々の命や財産を守るため、可能な限り新しい技術を取り入れ、改正される関連法令に対応しなければなりません。

老朽化した設備を取り替える必要があるから

消火設備が活躍する場面は決して多くありません。
万が一の事態に備え、普段は眠っているといってもよい状態です。

しかし、いざというときに正常に機能しなければ意味がありません。

消火設備は定期的に点検が実施され、いざというときに備えて整備されています。

ですが、設備が老朽化すると部品供給が困難になります。
生産停止後10年程度は部品を手に入れることも可能ですが、それ以上年月が経過すると部品が手に入らないかもしれません。

そうなる前に、老朽化した消火設備を交換する必要があるのです。

技術的が日々進歩しているから

消火設備は日々進化しています。

たとえば消火器は、明治時代に開発され大正・昭和・平成と改良を繰り返してきました。

消火機能の向上だけではなく、環境に配慮した消火器も登場しています。
消火器以外の消火設備も同様に日々進歩を遂げていますので、可能な限り新しい設備を設置したり、最新型に交換する必要があります。

法令改正に対応する必要があるから

消防・消火に関する法令は実際に起きた火災事故などを教訓に改正を繰り返しています。

人の命を守るという目的に照らし合わせると、法令改正は至極当然のことです。
法令が改正されればそれに合わせて消火設備を更新する必要があります。

まとめ

今回は消防設備の種類や消火設備の具体例、設備を更新しなければならない理由などについて解説しました。
人の命を預かるといってもよい消火設備は、その目的を果たすため日々進化を続けてきました。

コストがかかるため頻繁な更新は難しいかもしれませんが、不特定多数が利用する建物などは設備の進化に合わせて設備更新をする必要があるでしょう。

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